1960年代
- 1960年
- 米国防総省とメーカーによる協議会CODASYLによりCOBOL(CODASYL-60)の言語仕様が策定される.COBOLはCOmmon Business Oriented Language(事務用共通言語)の略.見出し部(IDENTIFICATION DIV),環境部(ENVIRONMENT DIV),データ部(DATA DIV),手続き部(PROCEDURE DIV)の4領域分割はCOBOLの特徴の一つ.
- ALGOL60が策定される.ALGOL60ではJohn Warner BackusとPeter Naurの発案によるBNF(Backus Naur Form)を用いた構文定義がなされた.
- 1962年
- I.サザランドによる「スケッチパッド」開発.
- P.バランが分散型ネットワークを考案.ルーティング・テーブルとアルゴリズムを開発する.
- 1963年
- 米国規格協会(American Standards Association ASA)が基本ソフトの異なる計算機相互間で情報を交換するための標準規格としてASC II(American Standard Code for Information Interchange)コードを開発.
- 1964年
- IBMが世界初の汎用コンピュータ「System/360」を開発,販売.
コンピュータ・アーキテクチャと実装を区別し,「OS」や「仮想マシン」も登場.
1バイト=8ビット も確立された.
System/360の設計責任者はジーン・アムダール.
System/360によって企業が経営情報システム(Management Information Systems [MIS])に本格的に取り組み始める. - M.マクルーハン『メディアの理解』.
- MITのFernando Jose Corbato,ベル研究所,GEによってマルチタスク,マルチユーザーのOSを目指す「Multics」のプロジェクトが開始される.この計画の途中でベル研究所が抜けるが,ベル研のKenneth ThompsonとDennis M.RitchieがMulticsのアイデアをもとにしてPDP-7でUNIXを開発することになる.
- ダートマス大学のJohn KemenyとThomas Kurtzによって入門者用コンピューター言語BASIC(Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Code)が開発されパブリックドメインとして配布される.
- 1965年
- DECがミニコンピュータ「PDP-7」をリリース.
これによりミニコン市場が形成される. - IBMと科学技術計算用コンピューター・ユーザー団体SHARE,事務計算用コンピューター・ユーザー団体GUIDEが科学計算と事務計算両方で利用出来,OSやコンパイラの開発も可能な言語「PL/I」を発表.ALGOLをもとにしてFORTRANとCOBOLのメリットを引き継ぐコンピューター言語.「PL/I」はProgramming Language No.1の略称.
- 1966年
- M.ポラニー『暗黙知の次元』.
- コラド・ベームとジュゼッペ・ヤコピーニにより,任意のフローチャートは基本フローチャートの組み合わせによる等価なフローチャートに変換できるという定理(構造化定理[Structure Theorem])が示される.
- 1967年
- IBMがメインフレーム市場で7割のシェアを確立し,「白雪姫と7人(UNIVAC,Honeywell,GE,CDC,RCA,NCR,バロース)の小人」と呼ばれる.
- ARPA主任科学者ローレンス・ロバートがARPANETの設計書(Multiple Computer Networks and Intercomputer Communication)を作成.
- 1968年
- Edsger Wybe Dijkstraが「Go to Statement considered harmful(goto文有害論)」を発表.
- 1969年
- Kenneth ThompsonとDennis M.RitchieがPDP-7上でアセンブリ言語で最初のUNIX(Unics)を作成.
- ロスアンゼルス大学のネットワーク測定センタにおいて,ARPANETの最初の接続点で接続に成功.
- Edsger Wybe Dijkstraが構造化プログラミング(structured programming)を提唱する.
Mathematics is the language with which God has written the universe.