確率分布

定義:probability distribution

確率分布とは,確率変数がある値となる確率,または,ある集合に属する確率を与える関数である.

すなわち,確率空間 $(\Omega, \mathcal{F}, P)$ 上の確率変数 $X$ に対して,以下の条件を満たす関数を確率分布という.

  • 離散確率分布の場合:
    • 確率質量関数[PMF] $p(x)$ が存在し,
    • $\forall x, p(x) \geq 0$ (非負性)
    • $\sum_{x} p(x) = 1$ (正規化条件)
    • $P(X = x) = p(x)$ (確率の定義)
  • 連続確率分布の場合:
    • 確率密度関数[PDF] $f(x)$ が存在し,
    • $\forall x, f(x) \geq 0$ (非負性)
    • $\int_{-\infty}^{\infty} f(x) dx = 1$ (正規化条件)
    • $P(a \leq X \leq b) = \int_{a}^{b} f(x) dx$ (確率の定義)

離散確率分布の場合と連続確率分布の場合を含む形では,累積分布関数[CDF] $F(x)$ が存在し,

を満たす関数が確率分布となる.

導出

$F(x)$ が離散確率分布の累積分布関数であるとき,対応する確率質量関数 $p(x)$ は以下のように定義される.\[ p(x) = F(x) - \lim_{y \to x^-} F(y) \]この $p(x)$ は以下の条件を満たす:

$F(x)$ は単調非減少なので,\[p(x) = F(x) - \lim_{y \to x^-} F(y) \geq 0\]となり非負性を満たす.

次に,\[\begin{eqnarray}\sum_{x} p(x) &=& \sum_{x} [F(x) - \lim_{y \to x^-} F(y)]\\&=& \lim_{x \to \infty} F(x) - \lim_{x \to -\infty} F(x) = 1 - 0 = 1\end{eqnarray}\]となるので正規化条件を満たす◻︎

$F(x)$ が連続確率分布累積分布関数であり,微分可能であるとき,対応する確率密度関数 $f(x)$ は以下のように定義される:\[f(x) = \frac{d}{dx}F(x) \]この $f(x)$ は以下の条件を満たす:

ここで,$F(x)$ は単調非減少なので,その導関数 $f(x) \geq 0$ は非負性を満たす.

次に,\[\begin{eqnarray}\int_{-\infty}^{\infty} f(x) dx &=& \int_{-\infty}^{\infty} \frac{d}{dx}F(x) dx\\&=& \lim_{x \to \infty} F(x) - \lim_{x \to -\infty} F(x) = 1 - 0 = 1\end{eqnarray}\]となるため正規化条件も満たす◻︎

Mathematics is the language with which God has written the universe.





















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