HDLC
定義:HDLC[High-Level Data Link Control]
データリンク層[OSI参照モデルの第2層]で使用される通信手順.国際標準化機構[ISO]により定義されており,規格はISO 3309やISO 4335などに基づいる.
データリンク層のうちのエラー検出やフロー制御の管理を行うLLC[Logical Link Control]サブレイヤーを担う.OSで動作する高レベルな通信プロトコル[例: TCP/IP]に対して,物理層に近い部分を担当する点が特徴.
HDLCは,IBMが開発したSDLC[Synchronous Data Link Control]というプロトコルをより汎用的に改良したもの.国際標準化機構[ISO]によって1979年に正式に規格化.すなわち,ISO3309でHDLCフレームの構造[開始/終了フラグ,アドレスフィールド,制御フィールド,FCSなど]を定義.ISO4335で,HDLC通信の運用モード[NRM,ABM,ARM]や,フロー制御・エラー制御の手順を定義した.
2つのルーター間で通信を行う場合,
- HDLCが送信側でデータをフレーム化し,エラー検出情報を追加
- 物理層[第1層]を通じて,フレームが隣接するルーターに送信
- 受信側のHDLCがフレームを確認し,エラーがなければデータを上位層[ネットワーク層]に渡す
HDLCではデータをフレームという単位でやり取りする.これにより,データの始まりと終わりを明確に区別し,通信の同期を保つ.
フレームの構成:
- フラグ[Flag]: フレームの開始と終了を示す特別なビットパターン[例: 01111110]
- アドレス[Address]: データの送信先や受信元を示す
- 制御[Control]: コマンドや応答の種類の指定
- データ[Information]: 実際に送信されるデータ
- FCS[Frame Check Sequence]: エラー検出用のチェックサム
Mathematics is the language with which God has written the universe.