ファイバー束

定義:ファイバー束[fiber bundle]

ファイバー束 $(E, B, F, \pi)$ とは,次の条件を満たす4つ組のことをいう.
  • 全体空間[total space]:$E$
  • 基底空間[base space]:$B$
  • ファイバー[fiber]$F$
  • 束射影[projection map]:$\pi : E \to B$
なお,このとき,
  • 束射影 $\pi: E \to B$ は連続写像である
  • 任意の $b \in B$ に対して,開近傍 $U \subset B$ が存在し,同相写像\[\phi: \pi^{-1}(U) \to U \times F\]が存在する.ここで,$\phi$ は次を満たす[局所的な同相性<local triviality>]:\[\pi(e) = p \quad \Leftrightarrow \quad \phi(e) = (p, f) \quad \text{for some } f \in F\]

全体空間 $E$ は,ファイバー $F$ を基底空間 $B$ の各点上に貼り付けた構造全体を表わす.また,基底空間 $B$ は,ファイバーがどのように並んでいるかを示す基盤の役割を果たす.ファイバー $F$ は,基底空間の各点に対応して貼り付けられる局所的な構造である.そして,束射影 $\pi$ は,全体空間 $E$ の点を基底空間 $B$ の点に対応付ける写像である.

局所的な同相性[local triviality]は,つまり,全体空間束射影 $\pi$ による $\pi^{-1}(U)$ は,基底空間の開集合 $U$ とファイバーF$ の直積に局所的に同相になる.

具体例

円柱は次のような性質を持つファイバー束である.

大まかに言うと,円の各点を円の上に立っている無数の実数直線に写像したものが円柱.その実数直線から円の各点への逆写像を構成するのがファイバー.そのファイバーを集めたものがファイバー束ということになる.

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測度 ファイバー 確率変数の分布と特性関数の関係 スチューデントのt検定の統計量 データ中心化と射影 母分散と標本分散