偏極化恒等式

定義:偏極化恒等式[Polarization Identity]

内積空間における偏極化恒等式は,内積とノルムの関係を特徴付ける基本的な等式である.実内積空間では以下の形で与えられる.\[\langle x,y \rangle = \frac{1}{4}(\|x + y\|^2 - \|x - y\|^2)\]複素内積空間では以下の形となる.\[\langle x,y \rangle = \frac{1}{4}(\|x + y\|^2 - \|x - y\|^2 + i\|x + iy\|^2 - i\|x - iy\|^2)\]

この恒等式は,2つのベクトル$x$と$y$の内積を,それらの和と差のノルムを用いて表現する.実内積空間での形式は,平行四辺形の対角線と辺の長さの関係を反映している.

ノルムと内積の等価性

内積から自然にノルムが定義される.\[\|x\| = \sqrt{\langle x,x \rangle}\]

逆に,平行四辺形の法則を満たすノルムから内積が構成できる.\[\|x + y\|^2 + \|x - y\|^2 = 2(\|x\|^2 + \|y\|^2)\]

なお,偏極化[polarization]という名称は,二次形式[ノルムの二乗]を双線形形式[内積]に分解する操作が,物理学における分極現象と類似していることに由来する.

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