フリップフロップ

summary:

フリップフロップ[Flip-Flop]とは,2つの安定状態を持ち,外部からの入力信号によって状態を切り替えることができる基本的なデジタル回路である.主に記憶素子として使用され,1ビットの情報を保持する.同期型と非同期型があり,クロック信号の有無によって動作が異なる.これは順序回路[sequential circuit]の基本構成要素であり,組み合わせ回路[combinational circuit]と異なり,過去の状態を保持する機能を持つ.基本的なフリップフロップ回路は,NANDゲートやNORゲートのフィードバック接続により実現される.

フリップフロップの発展史は1919年に始まり,ウィリアム・エクルス[William Eccles]とF.W.ジョーダン[F.W. Jordan]が双安定回路[Bistable Multivibrator]として最初のフリップフロップを発明した.これは真空管回路を用いたものであり,エクルス-ジョーダン回路[Eccles-Jordan circuit]とも呼ばれる.1940年代には真空管コンピュータにおいてフリップフロップが使用され,レジスタやカウンタの実装に貢献した.1950年代にはトランジスタの登場により,フリップフロップ回路が小型化され,信頼性が向上した.そして1960~70年代には集積回路[IC]の発展により,フリップフロップが大規模集積回路[LSI]や超大規模集積回路[VLSI]に組み込まれ,コンピュータのメモリやプロセッサ内部のレジスタとして普及した.

フリップフロップは大きく同期型と非同期型に分類される.同期型はクロック信号に同期して状態を変化させるのに対し,非同期型はクロック信号なしに入力の変化に応じて即座に状態を変化させる.代表的なフリップフロップの種類としては,SR[Set-Reset]フリップフロップ,D[Data/Delay]フリップフロップ,JKフリップフロップ,Tフリップフロップなどがあり,これらはいずれも同期型と非同期型の両方で実装可能である.これらのタイプはそれぞれ異なる入力条件と制御方法を持ち,様々な用途に応じて使い分けられる.例えば,Dフリップフロップはデータ保持に,Tフリップフロップはカウンタ回路に適している.

同期型フリップフロップでは,クロック信号の立ち上がりエッジや立ち下がりエッジでのみ状態が変化するため,安定した動作が保証される.これにより,デジタルシステム全体の同期をとることが可能となり,レジスタ,カウンタ,メモリなどの様々なデジタル機器の基本要素として広く活用されている.

電子工学の発展において,フリップフロップはコンピュータアーキテクチャの基礎となる重要な技術であり,現代のデジタルシステムにおいても不可欠な構成要素である.

Mathematics is the language with which God has written the universe.





















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