SRAM

summary:

SRAM[Static Random Access Memory]とは,リフレッシュ動作を必要としない揮発性メモリの一種であり,記憶素子としてフリップフロップを用いて情報を保持する半導体メモリである.SRAMは,DRAM[Dynamic RAM]と同様にランダムアクセスが可能な記憶装置であるが,構造上の違いからアクセス速度が速く,安定した読み書き性能を持つ.

SRAMは,1ビットの情報を記憶するために6個のトランジスタ[一般的にはCMOS構成]を用いたフリップフロップ回路を用いている.この構成により,外部から定期的にリフレッシュ信号を送る必要がなく,データを保持している限り電力を供給し続ければ内容は保持される.一方で,構造が複雑であるため,集積度が低く,単位記憶容量あたりのコストはDRAMに比べて高い.そのためSRAMは,主にCPUのキャッシュメモリ[L1/L2/L3キャッシュ]や高速なレジスタファイルとしてCPUチップの内部に直接組み込まれており,また組み込みシステムにおける内部メモリとしても使用されている.特にモダンなプロセッサではアクセス速度の重要性から,SRAMベースのキャッシュメモリはCPUコアと同じダイ上に集積されている.

SRAMの起源は,1960年代後半から1970年代初頭にかけてのMOS技術の発展とともに誕生した.初期の半導体メモリは主に磁気コアメモリが主流であったが,MOSFET技術の発展により,静的記憶素子であるフリップフロップを小型化・集積化することが可能となり,SRAMが登場した.

1970年,インテルが発表した世界初の商用SRAMIntel 1101は,SRAM技術の商用化の先駆けであり,その後1971年にはより実用的なIntel 2102が登場した.これらは当時としては高速なランダムアクセス性能を持ち,磁気コアメモリを徐々に置き換えていった.

1980年代以降,SRAMは高速性を活かして主にプロセッサのキャッシュメモリとしての役割を担うようになり,現在ではCPUの階層型キャッシュ構造に不可欠な要素として発展している.特に1990年代以降は,プロセス技術の進化によりCPUチップと同一のシリコンダイ上にSRAMを集積することが一般的となり,メモリアクセスのボトルネックを大幅に削減することに貢献している.

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