summary:
すべてのエージェント,ツール,ワークフローを単純な関数呼び出しとして扱うことにより,異なるフレームワークのコンポーネントを最小限のオーバーヘッドで組み合わせて使用できるようにした.
企業が複雑なタスクを実行できるインテリジェントシステムを構築するためにエージェントフレームワークをますます採用する中で、複数のフレームワークにわたるエージェントシステムの相互運用性,可観測性,パフォーマンスプロファイリング,ワークフロー評価に関する課題が生じた.
AgentIQは,LangChain,Llama Index,Crew.ai,Microsoft Semantic Kernel,カスタムPythonエージェントといった既存の様々なエージェントフレームワークや,個別のツール,データソースなどをそのまま利用できる設計となっている.つまり,これらの既存の技術を置き換えるのではなく,それらを繋ぎ合わせ,連携させるための統一的なレイヤーとして機能する.これにより,開発者は現在使用している技術スタックを変更することなく,AgentIQの利点を活用できる.
また,AgentIQは,エージェント,ツール,そしてそれらを組み合わせたワークフローを単純な関数呼び出しのように扱う.これにより,開発者は異なるフレームワークで開発されたコンポーネントを容易に組み合わせて,新しいより複雑な AI システムを構築可能となる.あたかもソフトウェア開発における関数を組み合わせるように,既存の要素を再利用し,新しい機能へと構成することが可能となっている[構成可能性,composability].
さらに,構築された AI エージェントシステムの動作状況を詳細に把握するための機能を提供.これには,ワークフロー全体のプロファイリング,個々のツールやエージェントレベルでのトークン使用量や処理時間[入力/出力トークンとタイミング]の追跡,そしてボトルネックの特定などが含まれる.また,AgentIQ は OpenTelemetry と互換性があり,開発者が好みの監視システムと連携させて,ワークフローの各部分の機能を深く洞察できるようにしている.これにより,AI システムのデバッグ,パフォーマンス最適化,そして信頼性の確保がより容易となる[可観測性,observability].
加えて,AgentIQで開発されたエージェント,ツール,ワークフローのあらゆるコンポーネントは,異なるシナリオや構成で再利用できる[再利用性,reusability].
なお,AgentIQは,既存のフレームワークの競合ではなく,補完として位置づけられている.従って,エージェント間の通信[HTTP や gRPC などのプロトコルの領域]や,可観測性プラットフォームを置き換えるものではない.また,MCP[Model Context Protocol]をサポートしており,MCPサーバーでホストされているツールをAgentIQの機能として簡単に組み込むことが可能となっている.
Mathematics is the language with which God has written the universe.