ボホナーの定理

定理:Bochner's theorem

連続関数 $\varphi: \mathbb{R} \to \mathbb{C} $ が以下の条件を満たすとき,かつそのときに限り, $\varphi$ はある確率測度特性関数である.
  • $\varphi(0) = 1$
  • $\varphi$ は正定値関数である.

ここで,正定値関数は,任意の $n \in \mathbb{N}$, 任意の $t_1, \ldots, t_n \in \mathbb{R}$, 任意の複素数 $z_1, \ldots, z_n$ に対して,\[\sum_{i=1}^n \sum_{j=1}^n z_i \overline{z_j} \varphi(t_i - t_j) \geq 0\]を満たす関数である.

ボホナーの定理[Bochner's theorem]は確率論調和解析において非常に重要な定理であり,オーストリア=ハンガリー帝国のクラクフ出身でナチスによる迫害を逃れて米国に移住した数学者であるサロモン・ボホナー[Salomon Bochner,1899/1982]によって1932年に発表された["Lectures on Fourier Integrals"].この定理は特性関数正定値関数の間の関係を示す.

ボホナーの定理の意味と重要性

証明のステップ

  1. リースの表現定理を用いて,正定値関数フーリエ変換として表現する.
  2. この表現が非負測度のフーリエ変換であることを示す.
  3. 測度を正規化して確率測度とする.

ボホナーの定理は,確率論調和解析を結びつける重要な架け橋となっており,確率モデルの構築や解析に広く応用される.

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