低圧ケーブル
参照
電気設備に関する技術基準を定める省令第6条、第21条、第57条第1項
第9条 使用電圧が低圧の電路(電気機械器具内の電路を除く。)の電線に使用するケーブルには、電気用品安全法の適用を受けるもの、次の各号に適合する性能を有する低圧ケーブル、第3項各号に適合する性能を有するMIケーブル、第5項に規定する有線テレビジョン用給電兼用同軸ケーブル、又はこれらのケーブルに保護被覆を施したものを使用すること。ただし、第172条第3項の規定によりエレベータ用ケーブルを使用する場合、同条第4項の規定により船用ケーブルを使用する場合、第181条若しくは第182条第四号イの規定により通信用ケーブルを使用する場合、第190条第1項第四号イの規定により溶接用ケーブルを使用する場合又は第195条第1項第三号の規定により発熱線接続用ケーブルを使用する場合は、この限りでない。
- 一 通常の使用状態における温度に耐えること。
- 二 構造は、絶縁物で被覆した上を外装で保護した電気導体であること。ただし、第127条第2項の規定により施設する低圧水底電線路に使用するケーブルは、外装を有しないものとすることができる。
- 三 絶縁体の厚さは、別表第4に規定する値を標準値とし、その平均値が標準値の90%以上、その最小値が標準値の80%以上であること。
- 四 完成品は、次に適合するものであること。
- イ 9-1表に規定する試験方法で、9-2表に規定する交流電圧を連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
9-1表ケーブルの種類 | 試験方法 |
水底ケーブル以外の金属外装ケーブル | 単心のもの | 導体と金属外装との間に交流電圧を加える。 |
多心のもの | 導体相互間及び導体と金属外装との間に交流電圧を加える。 |
その他のケーブル | 単心のもの | 清水中に1時間浸した後、導体と大地との間に交流電圧を加える。 |
多心のもの | 清水中に1時間浸した後、導体相互間及び導体と大地との間に交流電圧を加える。 |
9-2表導体 | 交流電圧(V) |
成形単線及びより線(公称断面積mm2) | 単線(直径mm) |
8以下 | 3.2以下 | 1,500 |
8を超え 30以下 | 3.2を超え 5以下 | 2,000 |
30を超え 80以下 | - | 2,500 |
80を超え 400以下 | - | 3,000 |
400超過 | - | 3,500 |
- ロ イの試験の後において、水底ケーブル以外の金属外装ケーブルにあっては導体と外装の間、その他のケーブルにあっては導体と大地との間に、100Vの直流電圧を1分間加えた後に測定した絶縁体の絶縁抵抗が、別表第6に規定する値以上であること。
- 2 第1項各号に規定する性能を満足する鉛被ケーブル、アルミ被ケーブル、クロロプレン外装ケーブル、ビニル外装ケーブル又はポリエチレン外装ケーブルの規格は、第3条及び次の各号のとおりとする。
- 一 導体は、次のいずれかであること。
- イ 別表第1に規定する軟銅線又はこれを素線としたより線(絶縁体に天然ゴム混合物、ブチルゴム混合物又はエチレンプロピレンゴム混合物を使用するものにあっては、すず若しくは鉛又はこれらの合金のめっきを施したものに限る。)
- ロ 別表第2に規定するアルミ線若しくはこれを素線としたより線又はアルミ成形単線(引張強さが59N/mm2以上98N/mm2未満、伸びが20%以上、導電率が61%以上のものに限る。)
- ハ 内側は別表第3に規定する鋼線、かつ、外側は別表第2に規定するアルミ線であるより線
- 二 絶縁体は、次に適合するものであること。
- イ 材料は、ビニル混合物、ポリエチレン混合物、天然ゴム混合物、ブチルゴム混合物、エチレンプロピレンゴム混合物又はふっ素樹脂混合物であって、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第一附表第十四に規定する試験を行ったとき、これに適合するものであること。
- ロ 厚さは、別表第4に規定する値を標準値とし、その平均値が標準値の90%以上、その最小値が標準値の80%以上であること。
- 三 外装は、次に適合するものであること。
- イ 材料は、9-3表の左欄に掲げるケーブルの種類に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げるものであって、ビニル混合物、ポリエチレン混合物又はクロロプレンゴム混合物にあっては、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第一附表第十四に規定する試験を行ったとき、これに適合するものであること。
9-3表ケーブルの種類 | 材料 |
鉛被ケーブル | 純度が99.5%以上の鉛 |
アルミ被ケーブル | 純度が99.5%以上のアルミニウム |
ビニル外装ケーブル | ビニル混合物 |
ポリエチレン外装ケーブル | ポリエチレン混合物 |
クロロプレン外装ケーブル | クロロプレンゴム混合物 |
- ロ 厚さは、別表第8に規定する値(クロロプレン外装ケーブルの外装の上にゴム引き帆布を厚さ1mm以上に重ね巻きするときは、同表に規定する値から0.5mmを減じた値)を標準値とし、その平均値が標準値の90%以上、その最小値が標準値の85%以上であること。
- 四 完成品は、次に適合するものであること。
- イ 9-1表に規定する試験方法で、9-2表に規定する交流電圧を連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
- ロ イの試験の後において、鉛被ケーブル又はアルミ被ケーブルにあっては導体と鉛被又はアルミ被との間に、ビニル外装ケーブル、ポリエチレン外装ケーブル又はクロロプレン外装ケーブルにあっては導体と大地との間に、100Vの直流電圧を1分間加えた後に測定した絶縁体の絶縁抵抗が、別表第7に規定する値以上であること。
- ハ 鉛被ケーブル又はアルミ被ケーブルにあっては、室温において、外装の外径の20倍の直径を有する円筒のまわりに180度屈曲させた後、直線状に戻し、次に反対方向に180度屈曲させた後、直線状に戻す操作を3回繰り返したとき、外装にひび、割れその他の異状を生じないこと。
- 3 MIケーブルは、次の各号に適合する性能を有するものであること。
- 一 通常の使用状態における温度に耐えること。
- 二 構造は、導体相互間及び導体と銅管との間に粉末状の酸化マグネシウムその他の絶縁性のある無機物を充てんし、これを圧延した後、焼鈍したものであること。
- 三 絶縁体の厚さは、9-4表に規定する値を標準値とし、その平均値が標準値の90%以上、その最小値が標準値の80%以上であること。
9-3表導体の公称断面積(mm2) | 絶縁体の厚さ(mm) |
使用電圧が300V以下のもの | 使用電圧が300Vを超えるもの |
単心又は2心のもの | 3心以上7心以下のもの |
1.0以上 2.5以下 | 0.65 | 0.75 | 1.3 |
2.5を超え 4.0以下 | 0.65 | - | 1.3 |
4.0を超え 150以下 | - | - | 1.3 |
- 四 完成品は、次に適合するものであること。
- イ 空気中において、単心のものにあっては導体と銅管との間に、多心のものにあっては導体相互間及び導体と銅管との間に、9-5表に規定する交流電圧を連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
9-5表使用電圧の区分 | 外装の区分 | 交流電圧 |
300V以下 | 外装に防食層を施すもの | 1,000V |
その他のもの | 1,500V |
300V超過 | 外装に防食層を施すもの | 1,500V |
その他のもの | 2,500V |
- ロ イの試験の後において、導体と銅管との間に100Vの直流電圧を1分間加えた後に測定した絶縁体の絶縁抵抗が、別表第6に規定する値以上であること。
- ハ 室温において、銅管の外径の12倍の直径を有する円筒のまわりに180度屈曲させた後、直線状に戻し、次に反対方向に180度屈曲させた後、直線状に戻す操作を2回繰り返す。さらに、端末部に防湿処理を施し、当該円筒のまわりに180度曲げた状態で清水中に1時間浸した後、単心のものにあっては導体と銅管との間に、多心のものにあっては導体相互間及び導体と銅管との間に、使用電圧が300V以下のものにあっては750V、使用電圧が300Vを超えるものにあっては1,250Vの交流電圧を連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
- ニ 銅管の外径の2/3まで偏平にしたとき、銅管に裂け目を生じず、さらに、端末部に防湿処理を施し、清水中に1時間浸した後、単心のものにあっては導体と銅管との間に、多心のものにあっては導体相互間及び導体と銅管との間に、使用電圧が300V以下のものにあっては750V、使用電圧が300Vを超えるものにあっては1,250Vの交流電圧を連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
- 4 前項各号に規定する性能を満足するMIケーブルの規格は、第3条及び次の各号のとおりとする。
- 一 構造は、導体相互間及び導体と銅管との間に粉末状の酸化マグネシウムその他の絶縁性のある無機物を充てんし、これを圧延した後、焼鈍したものであること。
- 二 完成品における導体相互間及び導体と銅管との間の絶縁体の厚さは、9-4表に規定する値を標準値とし、その平均値が標準値の90%以上、その最小値が標準値の80%以上であること。
- 三 導体は、別表第1に規定する銅線であること。
- 四 銅管は、次に適合するものであること。
- イ 民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会が承認した規格である「銅及び銅合金の継目無管」の「適用」の欄に規定するものであること。
- ロ 厚さは、別表第8に規定する値を標準値とし、その平均値が標準値の90%以上、その最小値が標準値の85%以上であること。
- 五 完成品は、次に適合するものであること。
- イ 空気中において、単心のものにあっては導体と銅管との間に、多心のものにあっては導体相互間及び導体と銅管との間に、9-5表に規定する交流電圧を連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
- ロ イの試験の後において、導体と銅管との間に100Vの直流電圧を1分間加えた後に測定した絶縁体の絶縁抵抗が、別表第7に規定する値以上であること。
- ハ 第3項第四号ハ及びニの規定に適合すること。
- 5 有線テレビジョン用給電兼用同軸ケーブルは、次の各号に適合するものであること。
- 一 通常の使用状態における温度に耐えること。
- 二 外部導体は、接地すること。
- 三 使用電圧は、90V以下であって、使用電流は、15A以下であること。
- 四 絶縁性のある外装を有すること。
- 五 完成品は、日本産業規格 JIS C 3503(1995)「CATV用(給電兼用)アルミニウムパイプ形同軸ケーブル」(JIS C 3503(2009)にて追補)の「5.3 導体抵抗」、「5.4 耐電圧」、「5.5 絶縁抵抗」及び「5.9 シースの引張り」の試験方法により試験したとき、「3 特性」に適合すること。
出典:電気設備の技術基準の解釈.