第1条 この解釈において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号による。
一 使用電圧(公称電圧) 電路を代表する線間電圧
二 最大使用電圧 次のいずれかの方法により求めた、通常の使用状態において電路に加わる最大の線間電圧
イ 使用電圧が、電気学会電気規格調査会標準規格 JEC-0222-2009「標準電圧」の「3.1 公称電圧が1,000Vを超える電線路の公称電圧及び最高電圧」又は「3.2 公称電圧が1,000V以下の電線路の公称電圧」に規定される公称電圧に等しい電路においては、使用電圧に、1-1表に規定する係数を乗じた電圧
使用電圧の区分 | 係数 |
1,000V以下 | 1.15 |
1,000Vを超え500,000V未満 | 1.15/1.1 |
500,000V | 1.05,1.1 又は 1.2 |
1,000,000V | 1.1 |
ロ イに規定する以外の電路においては、電路の電源となる機器の定格電圧(電源となる機器が変圧器である場合は、当該変圧器の最大タップ電圧とし、電源が複数ある場合は、それらの電源の定格電圧のうち最大のもの)
ハ 計算又は実績により、イ又はロの規定により求めた電圧を上回ることが想定される場合は、その想定される電圧
三 技術員 設備の運転又は管理に必要な知識及び技能を有する者
四 電気使用場所 電気を使用するための電気設備を施設した、1の建物又は1の単位をなす場所
五 需要場所 電気使用場所を含む1の構内又はこれに準ずる区域であって、発電所、蓄電所、変電所及び開閉所以外のもの
六 変電所に準ずる場所 需要場所において高圧又は特別高圧の電気を受電し、変圧器その他の電気機械器具により電気を変成する場所
七 開閉所に準ずる場所 需要場所において高圧又は特別高圧の電気を受電し、開閉器その他の装置により電路の開閉をする場所であって、変電所に準ずる場所以外のもの
八 電車線等 電車線並びにこれと電気的に接続するちょう架線、ブラケット及びスパン線
九 架空引込線 架空電線路の支持物から他の支持物を経ずに需要場所の取付け点に至る架空電線
十 引込線 架空引込線及び需要場所の造営物の側面等に施設する電線であって、当該需要場所の引込口に至るもの
十一 屋内配線 屋内の電気使用場所において、固定して施設する電線(電気機械器具内の電線、管灯回路の配線、エックス線管回路の配線、第142条第七号に規定する接触電線、第181条第1項に規定する小勢力回路の電線、第182条に規定する出退表示灯回路の電線、第183条に規定する特別低電圧照明回路の電線及び電線路の電線を除く。)
十二 屋側配線 屋外の電気使用場所において、当該電気使用場所における電気の使用を目的として、造営物に固定して施設する電線(電気機械器具内の電線、管灯回路の配線、第142条第七号に規定する接触電線、第181条第1項に規定する小勢力回路の電線、第182条に規定する出退表示灯回路の電線及び電線路の電線を除く。)
十三 屋外配線 屋外の電気使用場所において、当該電気使用場所における電気の使用を目的として、固定して施設する電線(屋側配線、電気機械器具内の電線、管灯回路の配線、第142条第七号に規定する接触電線、第181条第1項に規定する小勢力回路の電線、第182条に規定する出退表示灯回路の電線及び電線路の電線を除く。)
十四 管灯回路 放電灯用安定器又は放電灯用変圧器から放電管までの電路
十五 弱電流電線 弱電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体(第181条第1項に規定する小勢力回路の電線又は第182条に規定する出退表示灯回路の電線を含む。)
十六 弱電流電線等 弱電流電線及び光ファイバケーブル
十七 弱電流電線路等 弱電流電線路及び光ファイバケーブル線路
十八 多心型電線 絶縁物で被覆した導体と絶縁物で被覆していない導体とからなる電線
十九 ちょう架用線 ケーブルをちょう架する金属線
二十 複合ケーブル 電線と弱電流電線とを束ねたものの上に保護被覆を施したケーブル
二十一 接近 一般的な接近している状態であって、並行する場合を含み、交差する場合及び同一支持物に施設される場合を除くもの
二十二 工作物 人により加工された全ての物体
二十三 造営物 工作物のうち、土地に定着するものであって、屋根及び柱又は壁を有するもの
二十四 建造物 造営物のうち、人が居住若しくは勤務し、又は頻繁に出入り若しくは来集するもの
二十五 道路 公道又は私道(横断歩道橋を除く。)
二十六 水気のある場所 水を扱う場所若しくは雨露にさらされる場所その他水滴が飛散する場所、又は常時水が漏出し若しくは結露する場所
二十七 湿気の多い場所 水蒸気が充満する場所又は湿度が著しく高い場所
二十八 乾燥した場所 湿気の多い場所及び水気のある場所以外の場所
二十九 点検できない隠ぺい場所 天井ふところ、壁内又はコンクリート床内等、工作物を破壊しなければ電気設備に接近し、又は電気設備を点検できない場所
三十 点検できる隠ぺい場所 点検口がある天井裏、戸棚又は押入れ等、容易に電気設備に接近し、又は電気設備を点検できる隠ぺい場所
三十一 展開した場所 点検できない隠ぺい場所及び点検できる隠ぺい場所以外の場所
三十二 難燃性 炎を当てても燃え広がらない性質
三十三 自消性のある難燃性 難燃性であって、炎を除くと自然に消える性質
三十四 不燃性 難燃性のうち、炎を当てても燃えない性質
三十五 耐火性 不燃性のうち、炎により加熱された状態においても著しく変形又は破壊しない性質
三十六 接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
イ 設備を、屋内にあっては床上2.3m以上、屋外にあっては地表上2.5m以上の高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設すること。
ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。
三十七 簡易接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。
イ 設備を、屋内にあっては床上1.8m以上、屋外にあっては地表上2m以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。
ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。
三十八 架渉線 架空電線、架空地線、ちょう架用線又は添架通信線等のもの
出典:電気設備の技術基準の解釈.