クーロンの法則[Coulomb's law]
$F$ はクーロン力と言われる.$\varepsilon$ は帯電体の周囲の物質の種類によって異なる.真空における $\varepsilon$ の値は真空の誘電率といい、\[ \varepsilon_{0}=\frac{10^{7}}{4 \pi c_{0}^{2}}=8.854 \times 10^{-12} [\rm{C}^{2}/\rm{N} \cdot \rm{m}^{2}] \]となる.$c_{0}$ は真空中の光の速度,\[c_{0}=2.998 \times 10^{8} [\rm{m}/\rm{s}]\]である.\[F=\frac{1}{4 \times 3.14 \times 8.854 \times 10^{-12}}\times \frac{q_{1}q_{2}}{r^{2}}=9 \times 10^{9} \times \frac{q_{1}q_{2}}{r^{2}}\]とも表される.
単位は $[\rm{C}^{2}/\rm{N} \cdot \rm{m}^{2}]$ であるが,1クーロン[$\rm{C}$]の電気量を充電したときに1ボルト[$\rm{V}$]の直流の電圧を生ずる2導体間の静電容量として定義される1ファラド[$\rm{F}$]を用いて [$\rm{F}/\rm{m}$] とも表される.\[\rm{F}=\frac{\rm{C}^{2}}{\rm{N} \cdot \rm{m}}\]
クーロンの法則は,電荷を持つ粒子の間に働く反発する力[斥力;$F>0$],または引き合う力[引力;$F<0$]がそれぞれの電荷の積に比例し,距離の2乗に反比例することを示した電磁気学の基本法則である.逆2乗の法則ともいう.
ヘンリー・キャヴェンディッシュが1773年に実験的に発見し,シャルル・ド・クーロンが1785年に法則として再発見した.
このクーロンの法則はマクスウェルの方程式から導くことができる.
空間に $n$ 個の電荷がある場合に、特定の電荷 $q$ が受ける力は、それぞれの電荷から独立に受ける力の和になる.これをクーロン力の独立性という.
クーロン力の独立性が成り立つとき,力の重ね合わせの原理が適用できる.つまり,電荷の間に働く力は,2体間に働くクーロン力の和となる.
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