自然数の集合に対して,このすべての部分集合全体からなる集合,つまり,自然数の積集合を次々と造ることで,実数から実数への関数全体の集合が産み出されます.
自然数の集合では足し算と掛け算のみが自由に出来ます.
自然数の集合を「-」の演算が自由に出来るようにすることで整数の集合が出来あがります.
次に,整数の集合に「$\div$」の演算が加えられて有理数の集合が生まれます.
このような,集合という演算対象と,その間に成り立つ演算という構造を抽象化することで,足し算と掛け算が出来る集合を抽象化した群,足し算,引き算,掛け算が出来る集合を抽象化した環,足し算,引き算,掛け算,割り算の四則演算が出来る集合を抽象化した体,そして,順序関係を抽象化した束が考えだされました.
自然数の集合 $\mathbb{N}$ はモノイドという数学的構造を持ちますが,逆元の存在しない元があるために群にはなっていません.
整数全体 $\mathbb{Z}$ は,加法を演算として群になっていますが,この整数に $\sqrt{-1}$ といった数を加えて出来る数の集合は環になっていて代数的整数と呼ばれ暗号技術の数学的土壌を形作っています.
Mathematics is the language with which God has written the universe.