原子的命題とは,単純命題(simple proposition)ともいい,肯定文の単文で表現される命題であり,形式化の最小単位です.
このような単純命題の内部構造を問題にしない論理が命題論理(Propositional Logic)ということになります.
なお,命題を記号化したものは,論理式(wff;well-formed formula)といいます.
否定 negation | $p$ ということはない | $\lnot p$ |
論理積/連言 conjunction | $p$ かつ $q$ | $p \land q$ |
論理和/選言 disjunction | $p$ または $q$ | $p \lor q$ |
含意 implication | $p$ ならば $q$ | $p \to q$ |
同値 equivalence | $p$ のとき,また,そのときのみ $q$ | $p \leftrightarrow q$ |
真 true | 真である | $\top$ |
偽 true | 偽である | $\bot$ |
ある命題$Q$ の真理値が,他の特定の命題$A,\cdots$から導かれるとき,命題$Q$ は命題 $A,\cdots$ の真理関数といいます.
零項真理関数zero-place truth-function | 0個の論理式をとる真理関数 | true($\top$), false($\bot$) |
一項真理関数one-place truth-function | 論理式の1つの組をとる真理関数 | $\lnot$ |
二項真理関数two-place truth-function | 論理式の1つの組をとる真理関数 | $\land$,$\lor$,$\to$,$\leftrightarrow$ |
命題論理(一階命題論理)の記号が与えられたとき,命題論理の論理式の集合は以下で定義されます.
命題論理式は,$F$ を命題論理式の構文カテゴリ,$P$ を命題変数の構文カテゴリとして,抽象構文(abstract syntax)によって以下のようにも定義されます.\[F::=\top|\bot|P|\lnot F|F \land F|F \lor F|F \to F\]
Mathematics is the language with which God has written the universe.