整数の一般化

定義:有理整数環 ring of rational integers

整数全体の集合 $\mathbb{Z}$ は和と積によって環になる.
このような整数全体の集合 $\mathbb{Z}$ を有理整数環という.
有理整数環の単位元は $1$ となる.

環の概念自体が整数を一般化したものである.

環の定義において,加法については可換群であるが,乗法には逆元がないとされているのは,そもそも整数の性質を反映したものである.

環の概念を導入したのは1880年代のデデキントであり,1892年にヒルベルトが数環[Zahlring]という用語を用いた.ヒルベルトの考えた\[a+b\sqrt[3]{2}+c\sqrt[3]{4} \]という数の集合に $\sqrt[3]{2}$ を1回乗じると,\[2c+a\sqrt[3]{2}+b\sqrt[3]{4} \]となり,さらに$\sqrt[3]{2}$を乗じると,\[2b+2c\sqrt[3]{2}+a\sqrt[3]{4} \]となり, \[(a,b,c) \]の位置が環を描くようになることから環という用語が編み出されたという[代数的数体の理論,"Die Theorie der algebraischen Zahlkörper", Jahresbericht der Deutschen Mathematiker Vereinigung, Vol. 4, 1897.].デデキントが考察した環が満たしている上記のような性質はcircling directly backと呼ばれる.


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