このことは,例えば,\[x \subseteq y\]という関係は $\in$ を用いて,\[\forall z(z \in x \to z \in y)\]と表すことが出来ます.
この $\in$ の基本的な性質として,
また,上記の外延の公理と内包の公理は,集合は「普通の意味での」ものの集まりであるという考え方に基づいたものであり,素朴集合論(naive set theory)と呼ばれます.
素朴集合論(naive set theory)の公理はとても分かりやすいのですが,いろいろなパラドクスが生じてしまうことが知られています.その中で有名なものにラッセルのパラドクス(Russell's paradox)があります.これは,$x$ は自分自身には含まれない,\[x \notin x\]について内包の公理を適用すると,\[\{x|x \notin x\}\]という集合が導き出されます.この集合は,自分自身を含まないものの集合です.さらに,内包の公理を適用すると,$x \notin x$ が $\varphi(x)$ となるので,\[\forall x(x \in s \leftrightarrow x \notin x)\]となります.ここで,$x=s$ とすると,\[s \in s \leftrightarrow s \notin s\]となり矛盾が生じます.
こうした矛盾を解消しようとしたのが公理的集合論の公理とよばれるものになります.
Mathematics is the language with which God has written the universe.