$K$ を体とします.このとき,集合 $V$ に加法 $+$ と,体 $K$ の元によるスカラー倍(scalar multiplication)$\cdot$ が定義されて,以下の条件を満たすならば,集合 $V$ を $K$線形空間といいます.
$K$線形空間は,$K$上の線形空間とか$K$ベクトル空間(vector space)ともよばれます.
$V$ を $K$線形空間とし,\[x_{1},x_{2},\cdots,x_{n}\]を$K$線形空間 $V$ の元だとします.
$V$ の任意の元 $x$ に対して,\[x=a_{1}x_{1}+a_{2}x_{2}+ \cdots +a_{n}x_{n}\]を満たすベクトル\[a = \left(\begin{array}{c} a_{1} \\ a_{2} \\ \vdots \\ a_{n}\end{array} \right) \in K^{n}\]が唯一存在するとき,$x$ を $V$ の基底(basis)といいます.
線形空間 $V$ の基底の元の個数 $n$ を,その線形空間 $V$ の次元といい,\[dim V\]と表します.
線形空間 $V$ の元 $x$ に対して,\[a_{1}x_{1}+a_{2}x_{2}+ \cdots +a_{n}x_{n}=0\]という関係式が,\[a_{1}+a_{2}+ \cdots +a_{n}=0\]のときにしか成り立たないとき,\[x_{1},x_{2},\cdots,x_{n}\]を線形独立,あるいは,1次独立といいます.
\[a_{1},a_{2},\cdots,a_{n}\]のうち少なくとも1つが $0$ ではないときは,\[x_{1},x_{2},\cdots,x_{n}\]は線形従属,あるいは,1次従属といいます.
Mathematics is the language with which God has written the universe.