すなわち,
内包の公理における\varphi(x)をx \notin xとすると,集合\{x:\varphi(x)\}が存在する.
この集合をRとし,R \in Rと仮定すると,Rの定義から\varphi(R)が成り立つ.
しかし,\varphi(x)の定義からR \notin Rとなり矛盾する.
逆に,R \notin Rと仮定すると,\varphi(x)の定義から\varphi(R)が成り立つので矛盾する.
19世紀末には,集合論は数学のあらゆる理論の基礎である,という考え方が定着していました.つまり,集合論に矛盾が内在することは 数学自体の基礎を揺るがしかねない重大な事態だったわけです.従って,このような集合の逆理は数学の危機と呼ばれるようになっていきます.
Mathematics is the language with which God has written the universe.