リースの表現定理
定理:Riesz representation theorem
連続な正定値関数 $\varphi: \mathbb{R} \to \mathbb{C}$ に対して,一意の有限な非負ボレル測度 $\mu$ が存在し,以下が成り立つ.\[\varphi(t) = \int_{\mathbb{R}} e^{itx} \, d\mu(x) \quad \forall t \in \mathbb{R}\]
リースの表現定理には,ヒルベルト空間上の有界線形汎関数に関するバージョンや,局所コンパクト空間上の正則ボレル測度に関するバージョンなど,いくつかの異なる形式がある.上記は確率論と調和解析に関連するバージョンである.
ハンガリーのジュール[Győr]で生まれた数学者のフリジェス・リース[Frigyes Riesz,1880-01-22/1956-02-28]によって1907年に発表された["Sur une espèce de géométrie analytique des systèmes de fonctions sommables",積分可能な関数系の解析幾何学の一種について].
定理の意味
- 正定値関数の表現:すべての連続な正定値関数は,ある測度のフーリエ-スティルチェス変換として表現できる.
- 一意性:フーリエ-スティルチェス変換として表現は一意であり,関数と測度の間に1対1の対応が成立する.
- 特性関数との関連:ボホナーの定理と合わせると,特性関数が必ずこの形式を持つことが分かる.
証明のステップ
- 正定値性を用いて,線形汎関数を定義.
- この汎関数が非負であることを示す.
- ハーン-バナッハの拡張定理を適用し,この汎関数を拡張.
- 線形汎関数に関するリースの表現定理を用いて,測度の存在を示す.
- フーリエ変換の一意性を用いて,表現の一意性を証明.
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