Adolf HurwitzがRouthとは独立に安定判別法を発表.RouthとHurwitzの安定判別法は数学的に同一であり,ラウス・フルビッツの安定判別法と呼ばれることになる.また,この判別法は離散系におけるジュリーの安定判別法に相当する.
1911年
Elmer Ambrose Sperry)が,PID制御器の構成を成した船の自動操舵機構を開発.
1922年
Nicolas Minorskyyが船の自動操舵に関する制御理論を発表.これがPID制御(Proportional-Integral-Derivative Controller)の誕生となる.
1931年
Foxboro社ががPI調節計器スタビローグを発表する.
1932年
Harry Nyquistが『制御理論』を発表. "Regeneration theory", Bell System Technical Journal, vol. 11, pp. 126?147, 1932 なお,Nyquistによる情報の伝送に必要な帯域の決定に関する理論は後にClaude Elwood Shannonによって情報理論として展開されていくことになる.
1933年
Taylor Instruments社がPI調節計ダブル・レスポンスを発表.
1934年
Brown社がAir-O-Line空気式調節計を発表.
1936年
Taylor Instruments社のCallenderらにより空気式PID調整器の原型が開発される.PID制御のPはProportional(比例)の意味であり,偏差に比例して出力が変化することを示し,IはIntegralの意味であり,偏差がある限り出力を時間とともに修正することを示し,DはDerivativeの意味であり,偏差の大きさに比例して出力を一時的に補正することを示す.これによって,工業計測の4大変数である圧力,レベル,流量,温度を制御する.
1942年
Taylor Instruments社のJohn G. ZieglerとNathaniel B. Nicholsらにより,実用的なPIDパラメータの調整則(限界感度法,過渡応答法)を示した「PID調整法として限界感度法」をASME(米国機械学会)論文集に発表.