移動通信の進化
第1世代[1G] | 800〜900MHz帯,1.7〜1.9GHz帯 |
第2世代[2G] | 800〜900MHz帯,1.7〜1.9GHz帯 |
第3世代[3G] | 2GMHz帯 |
第4世代[4G] | 700M~900MHz帯,1.5G~3.5GHz帯 |
第5世代[5G] | 700M~4GHz帯,28〜70GHz帯 |
第1世代[1G]:アナログ方式の時代
音声信号などをアナログのままで電波に乗せて送信していた時代.
- 1979年:NTT方式の自動車電話サービス開始.
- 1981年:ヨーロッパでNMT[Nordic Mobile Telephony]450が開始される.
- 1983年:北米でAT&Tとモトローラが提案して標準化されたAMPS[Advanced Mobile Phone Service]が展開される.モトローラ方式とも呼ばれる.
- 1985年:イギリスでAMPSをベースとしたTACS[Total Access Communication System]が商用化.フランス・スイス・スペイン・シンガポール・中国・香港・アフリカの一部へも展開された.
- 1988年:NTTが東京都23区内からNTT大容量方式[HiCAP]を開始.NTT方式の搬送波間隔が25kHzであったのに対し,NTT大容量方式は12.5kHz.このような搬送波間隔の縮小と120°3セクターセルの採用により周波数の繰り返し利用効率を大きくした.
- 1989年:DDIセルラーグループ[現:KDDI/沖縄セルラー電話連合 各auブランド]がTACSの使用する周波数を日本の割り当てに合わせて変更したJ-TACSを導入.
- 1991年:日本移動通信[IDO]が首都圏・東海地方においてTACSベースのサービスを開始.
第2世代[2G]:デジタル方式の時代
音声信号等の信号をデジタル信号に変換して電波に乗せるデジタル方式が導入された時代.ヨーロッパのGSM[Global System for Mobile Communications],北米のTDMA,日本のPDCのいずれも時分割多元接続[TDMA:Time Division Multiple Access]という方式を採用した.
- 1982年:欧州郵便電気通信主管庁会議[CEPT:Conference of European Postal and Telecommunications administration]がISDNと相性の良い欧州統一携帯電話システム[the Pan-European cellular mobile radio system]を目指してGSM[Groupe Spécial Mobile]委員会を立ち上げ.北欧のNMT900,フランスのNMT450/900とRC2000,ドイツのBとC-netz,イギリスのETACSといった互換性のない複数システムの統合を目指す.
- 1987年:GSM[Groupe Spécial Mobile]委員会における成果がGSM1987という名称で統一規格として採択.
- 1989年:GSM[Groupe Spécial Mobile]委員会がヨーロッパ電気通信標準協会[ETSI]に移る.
- 1991年:フィンランドでGSMの初のサービスが開始される.
- 1991年:北米においてD-AMPS[Digital Advanced Mobile Phone System]が導入される.アナログ携帯電話の北米標準であるAMPS[Advanced Mobile Phone System]と同一周波数帯域で使用された.後に,D-AMPSは採用技術の名称であるTDMAと同じ名称で呼ばれるようになった.
- 1993年:NTTドコモがPDC[Personal Digital Cellular]を採用した800MHz帯を使用するmovaサービスを開始.PDCはGSM1987の次世代版として日本で独自に開発されたもの.
- 1995年:クアルコムが符号分割多元接続[Code Division Multiple Access]を用いるcdmaOne方式を発表[規格名:IS-95].
- 1998年:KDDI,沖縄セルラー電話がcdmaOneサービスを開始.
第3世代[3G]:モバイル・インターネットの始まり
固定通信網におけるISDN[Integrated Services Digital Network]化の進展により,無線通信網においてもデータ通信に重点をおいたシステムが求められるようになった.こうして開発されたものがIMT-2000[International Mobile Telecommunications-2000].
IMT-2000の主要方式としてはWCDMA[W-CDMA;Wideband CDMA]とCDMA2000がある.
WCDMAは3GPP[第3世代パートナーシップ・プロジェクト;3rd Generation Partnership Project]において日本とヨーロッパによる提案に基づいて策定されたもの.
携帯端末の普及により高速通信のニーズに応えるために,電波品質の状況に応じて伝送速度を変えるベストエフォート型が導入され,CDMA2000は1xEV-DO[Evolution Data Optimized]に,WCDMAはHSPA[High Speed Packet Access]へと発展.これらは3.5G[第3.5世代]と呼ばれた.
- 1985年:国際電気通信連合[ITU;International Telecommunication Union]が第3世代移動通信システム標準化の検討を開始.
- 1999年:国際電気通信連合[ITU]が地上系無線方式としてIMT-DS[W-CDMA],IMT-MC[CDMA2000/CDMA2000 1x],IMT-TC[UTRA-TDD],IMT-SC[EDGE],IMT-FT[DECT]の5方式を勧告[IMT-2000規格].
- 2001年:NTTドコモがFOMA[W-CDMA]の商用サービスを開始.
第4世代[4G]:IMT-Advanced
ITUにおいてIMT-Advancedと名付けられた第3世代移動通信システム[3G]の発展型. IMT-Advanced の基準を満たすものは3GPPのLTE-AdvancedとIEEEのWiMAX2であるものの,3Gと4Gの中間解と言われるLTE[Long-Term Evolution]やWiMAX,HSPA+も4Gと呼称することがITUによって許容されている.
3G以降ではターボ符号という新しい誤り訂正符号が導入され高速伝送の品質向上に寄与した.
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