通信の二重化【Duplexing】

伝送路などに2つの独立した信号の流れを同時に流せるようにすること.つまり,伝送路において上りと下りの双方向の通信を実現すること.

無線通信においては大別してFDD[Frequency Division Duplexing]とTDD[Time Division Duplexing]の2つの手法がある.これらの通信二重化技術[Duplexing]は,それぞれのユーザーにおいて,双方向の通信を分離多重化する技術である.

FDD[Frequency Division Duplexing]

周波数分割複信.1本の伝送路を周波数帯を使い分けて,あたかも複数の伝送路があるかのように使う方式.全二重通信において用いられる.

• 送信と受信を周波数の違いによって区別する.
• 送信と受信を同時に行う.
• 自らの送信信号が干渉となる.
• 送信と受信の周波数の差が大きい場合は必要なアンテナ,RF回路が複雑となる.

TDD[Time Division Duplexing]

時分割複信.双方向で伝送路を使う時間を分けて通信を行う方法.半二重通信において用いられる.

• 短い時間間隔で送信と受信を切り替えることによって双方向の通信を実現する.
• 通信に時間遅延が発生する.

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