電気のことを電荷(electrical charge)ともいい,電荷の量を電気量(the quantity of electricity)といいます.物質に質量があるように,電気には電気量があるということになります.電子は負電気を帯びているので電子の電荷はマイナスとなります.また,電子の電荷を -e と表すと, e は電荷の最小単位であり,電気素量(elementary charge)とも言われます.電荷の量の単位は (C)(クローン;Coulomb)です.(1C)は(1A)の電流が流れているときに,その導線の断面を1秒間に通過する電気量と定められています.
なお,電子はイギリスの物理学者ジョゼフ・ジョン・トムソン卿(Sir Joseph John Thomson,1856年12月18日-1940年8月30日)が1897年に発見しました.
正電荷と負電荷で,同じ符号同士の電荷は反発しあいますが(斥力),異なる符号同士の電荷は引きつけ合います(引力).
また,物質が電気を帯びることを帯電するといい,帯電した物質を帯電体(an electrified [electrically charged] body)といいます.物質の大きさが非常に小さくて点とみなせる場合の帯電体は点電荷といいます.
引力なので,万有引力の法則と同じように,それぞれの点電荷 (q_{0},q_{1}) の積に比例し,距離(r)の2乗に反比例します.\[ F=k_{0}\frac{q_{0}q_{1}}{r^{2}} \]これをクーロンの法則(Coulomb's law)といいます.クーロンの法則の中に出てくる(k_{0})は定数で真空中では,\[k=9.0×10^{9} [Nm^{2}/C^{2}]\]となります.
このクーロンの法則は,シャルル-オーギュスタン・ド・クーロン(Charles-Augustin de Coulomb,1736年6月14日-1806年8月23日)が1785年に発見したものです.
ここで,(N)というのは力の大きさを表す単位で,(1N)は約0.1kgの物体に働く重力の大きさと定義されます.\[1N=1kg・m/s^{2}\]